相続・遺言

       
相続・遺言

遺言書が必要な訳

家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件をみると、年々増加傾向にあります。 そのうち,遺産の価額が5000万円以下の事件が4分の3を占めており、1000万円以下の事件に限っては3割を超えています。 つまり、財産の額にかかわらず、資産構成や家族構成によっては、事前に相続対策をしておかないと円滑に相続手続を進めることができないだけでなく、相続を契機にトラブルが発生し、家族関係が崩壊してしまうおそれがあるのです。

 

1. 土地・建物の相続登記(不動産登記)

土地・建物の相続登記とは?
不動産登記とは、皆さんの大切な財産である土地や建物の物理的な状況・権利関係に変化が生じたときに、その旨を登記簿に記載して社会に公示することで、取引の安全を守る制度です。 司法書士は、このうち権利関係の登記について書類の取得、作成や申請代理業務を行います。 登記の種類にはいくつかあり、不動産に対して生じた変化の原因に応じて申請する登記の種類が決められています。 例えば、相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続きをしなくてはなりません。 ※不動産名義を変更しないと、後々トラブルになることがありますので、できるだけ速やかに行ってください。

土地・建物の相続登記の流れ

(1) 遺産分割協議の終了(相続人確定後)
(2) 登記に必要な書類の収集
下記の必要書類をご参照ください。
(3) 登記申請書の作成
登記の申請書を作成する場合の詳細は、状況によって複雑に変化します。 司法書士に依頼する方が、正確かつ速やかに実行できることでしょう。
(4) 法務局への登記の申請
登記の申請書に集めた書類をまとめ、相続する不動産を管轄とする法務局に登記申請をします。 提出した書類に不備がなければ1週間程で登記が完了し、不動産の名義が変更されます。
 

不動産の名義変更に必要な書類

(1) 亡くなられた方(被相続人)の書類
① 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等 ※
相続人を確定するために必要です。 また、被相続人の記載のある戸籍謄本は1通ではありません。原則、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を集めなければなりません。 また、転籍や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。一般の方でも取得できますが、何回も転籍されているような場合や遠方の市区町村に請求しなければならない場合、手続きはかなり煩雑になります。
② 住民票の除票の写しまたは、戸籍の除附票 ※
被相続人を住所と氏名及び本籍地で特定するためです。
(2) 相続人の書類
① 法定相続人全員の戸籍謄本 ※
相続人であること及び現在も生存していることを証明するためです。
② 遺産分割協議書 ※
③ 名義人となられる方以外の相続人全員の印鑑証明書
②、③は法律で定められた相続分以外の割合で相続する場合に必要です。
④ 相続財産をもらい受ける相続人の住民票の写し ※
登記簿に不動産の所有者として記載される方の住所を特定するためです。
⑤ 相続する不動産の固定資産評価証明書(一番新しい年度のもの) ※
相続登記にかかる登録免許税を計算するためです。
⑥ 相続する物件の登記事項証明書 ※
相続登記申請の前に、不動産を特定したり、被相続人名義の不動産かどうかを確かめたりするためです。 (上記の書類以外にも書類が必要な場合があります)
これらの書類をすべて集めるのは相当な労力を要します。 また、戸籍謄本等の収集などにおいて少しでも不備があると、取得し直す必要が出てきます。司法書士はこれらの書類の内、印鑑証明書以外は職権で取得できますので、お困りでしたらまずはご連絡ください。

遺産分割協議

遺産分割協議とは?
遺産相続が起こったとき、相続人が一人ならその人がすべての遺産を相続しますが、相続人が複数いたら、誰がどの遺産を相続するのかを決定しなければなりません。 そこで、相続人全員が集まって遺産分割協議という話合いを行います。 全員が合意できたら遺産分割協議自体は終了しますが、どのような内容で合意したのかが明らかにしておかないと、後でトラブルになるおそれがあります。そこで、作成するのが遺産分割協議書です。 このように、遺産分割協議書は、相続人全員が合意した内容を明らかにするものであり、1種の「契約書」のような性質を持ちます。 また、遺産分割協議書によって、対外的にも協議の内容を証明することになるので、遺産分割虚偽書は、1種の「証明書」のような性質も持ちます。
遺産分割協議書
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いのことですが、その話し合いで決まった内容を書面におこしたものが、【遺産分割協議書】とよばれるものになります。
 
遺言書がある場合は、遺産分割協議書は必要ありません

被相続人が生前に遺言書を残していれば、原則、遺言書に書かれた内容に従い、受遺者(遺産の受取人)に指定をされた人が遺産を相続することになります。 遺言書がなかった場合、被相続人の財産は、死亡した瞬間に法定相続人全員が法定相続分の割合で共有している、と法的にはみなされます。

もし、相続人全員で遺産分割協議(話し合い)がまとまらなかったり、放置されている状態が続くと、そのうちに相続人自身が亡くなることもあります。
遺産分割協議が終わらない間に相続人が死亡した場合

不動産を例に考えてみると、不動産の名義人が死亡したにもかかわらず、何らかの事情で不動産の名義変更がなされず長年放置された場合、相続人となる方が共有しているとみなされますので、その後にまた次の相続が発生したとなると、相続人の相続人、さらには相続人の相続人の相続人・・・等と現在生きている相続人(現在の共有者)が多岐にわたってしまうことになります。

不動産が売却できない!?

その状態で不動産を売却する際には、法定相続分による相続人全員(相続人の相続人等)の名義で相続の登記をしたのち、相続人全員で買主と売買契約を結ぶ必要があります。 法律上、自分の持分10分の1だけ売ることもできますが、現実的には10分の1だけ買いたいという人はいないので、一般的には共有者全員の合意が必要です。 ※価値がある不動産であれば、持分だけ買い取るといった一部の不動産業者もありますが、相場よりもかなり安く売ることになるでしょう。

将来的に、上記のような面倒なことにならないようにするために遺産分割協議を行い、相続人全員で誰が何を相続するかを決めていきます。 そして、相続人それぞれが何を相続するのかはっきり決めて遺産分割協議書にしっかりと記して署名捺印(実印)します。 この遺産分割協議書ができ、相続登記が完了すると、遺産を承継する相続人が思い通りに遺産を処分することができるようになります。 もし、相続人同士でモメてしまって遺産分割協議ができない場合は、家庭裁判所に申し立てをして遺産分割を進めていく調停による遺産分割と、裁判による遺産分割という方法があります。

2. 相続放棄

相続放棄とは?
一切の遺産相続をせずにすべてを放棄してしまうことです。 人が亡くなって相続が開始したら、法定相続人が法定相続分に従って遺産を相続することが基本です。 遺産としては、現金や預貯金、不動産などのプラスの資産を思い浮かべるかもしれませんが、被相続人(亡くなった人)が借金を残して死亡するケースもあります。 例えば、相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続きをしなくてはなりません。相続財産の中から借金を支払えない場合には、相続人が自分の財産から被相続人の借金を支払わないといけません。 そこで、このように借金を支払いたくない場合において、相続放棄を利用します。 相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったことになるので、借金も相続せず、その支払をしなくても良くなります。

相続放棄(流れ)

(1) 相続財産・負債の調査
(2) 必要書類の収集 ※場合によっては相続放棄の熟慮期間の延長をする場合もあります。
(3) 相続放棄の申述書の作成
(4) 相続放棄の申述
(5) 裁判所からの照会への回答
(6) 相続放棄の受理
(7) 相続放棄の申述受理証明書の交付
 

相続財産・負債の調査

相続放棄をするかどうかを決めるためには、まず、相続財産としてどのような資産や負債があるのかということを調査しなければなりません。 不動産、各種動産、預貯金、現金など分かりやすいものだけでなく、誰かにお金を貸している等の債権や株式なども資産に当たります。 逆に、借金や未払い金など負債があるかどうかも十分に調査しておく必要があります。 遺品を確認し、また被相続人宛てに送られてくる郵便物などを確認する必要があります。 負債については、被相続人の方の信用情報を取り寄せてみるなどの方法で調査する場合もあります。 十分な調査をしないまま、資産だけ利用してしまうと、法定単純承認が成立し、後に借金など負債が見つかっても相続放棄できなくなってしまうおそれがあるので注意が必要です。

相続放棄の熟慮期間の延長

相続放棄は、相続の開始(被相続人が亡くなったこと)を知った時から3か月以内に行わなければならないのが原則です。 3か月を超えると、法定単純承認が成立し、相続放棄できなくなってしまうということです。 この3か月という期間のことを「熟慮期間」と呼んでいます。 もっとも、場合によっては、相続財産の調査が3か月では終わらないということもあるでしょう。 その場合には、熟慮期間を延長してもらうため、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して熟慮期間の伸長を申し立てることができます。 ただし、必ずしも熟慮期間延長が認められるわけではありませんので、できる限り、3か月以内に調査をしておくべきでしょう。

相続放棄の申述書の作成

相続放棄をするためには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、相続放棄の申述をしなければなりません。 この申述は、相続放棄の申述書という書面を提出する方法によって行います。 この申述書には、相続放棄される方の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本類や、住民票の除票など一定の書類を添付する必要があります。

相続放棄の申述

相続放棄の申述書が完成したら、それを、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出して、相続放棄の申述を行います。 相続放棄の申述においては、手数料と郵便切手も必要です。手数料は収入印紙で支払います。金額は1人800円です。 郵券の金額や内訳は、各裁判所によって異なりますので、あらかじめ問い合わせるなどして確認しておいた方がよいでしょう。

裁判所からの照会への回答

相続放棄の申述書を提出した後、家庭裁判所から、照会書が送付されてきますので、これに回答して家庭裁判所に提出します。 また、照会書のほか、申述書の内容等に不明点があるような場合には、裁判所から問い合わせや資料の追完などが求められることもあります。

相続放棄の受理

照会書に回答した後、裁判所によって相続放棄の申述を受理するか否かの判断がなされます。 受理されると家庭裁判所から、相続放棄受理について通知書が送られてきます。

相続放棄の申述受理証明書の交付

相続放棄の申述が受理されたことを家庭裁判所に証明してもらうために、その家庭裁判所に対して相続放棄申述受理証明書を発行してもらうことができます。 相続放棄申述受理証明書を発行してもらうためには、家庭裁判所に対して、相続放棄受理証明申請をする必要があります。申請も、申請書を提出して行います。

空家

空家問題
相談いただく多くの空き家は、親がもともと住んでいた自宅、つまり実家です。 そして、長い間空き家になってしまっている家は、相続問題が複雑に絡み合ってしまっているものも多くあります。このような相続問題の解決には、多大な労力、費用、そして時間もかかってしまいます。 そうならないためにも、相続に関する正しい知識を持ち、備えることが重要です。 また、既に相続問題が起きてしまっている場合、問題を整理して、どのような問題があって、誰に何を相談すれば良いかを把握することが問題解決の第一歩となります。
相続の流れ
相続が起きるとさまざまな手続きが必要となります。 ただ、相続発生後は法事も多く、気付いたら手続きができる期間が過ぎていた!というお話は少なくありません。 そうならないためにも、相続手続きは期限と、どの手続きを自分で行い、どの手続きを専門家に任せるかを決める必要があります。
管理や活用の問題を抱える空き家所有者
2015年5月に空家等対策特別措置法が施行されてから、「空き家問題」という言葉を耳にする機会が多くなっています。 そして、空き家問題は所有者側の視点ではなく、近隣住民側の視点で語られることがほとんどです。 その結果、「空き家は地域の景観や安全を損なうものである」という負のイメージがついてしまいました。 しかし、空き家を巡る問題のほとんどは、所有者が悪で近隣住民は被害者という単純なものではありません。 所有者自身も、空き家の管理や活用について問題を抱えていることが多いのです。 そして、所有者が抱える問題の多くは、法律や税制、もしくは物理的な問題であることが多いため、簡単に解決することができないのです。
所有者が抱える問題とは?

空き家の多くは高齢者が住んでいた自宅もしくは親から子供たちが相続した実家です。 そのため、空き家には家族との想い出が詰まっており、利活用することに抵抗があるという方が多くいらっしゃいます。

それぞれの立場でどのような問題を抱えているのか解説します。
親が自宅を所有している場合
高齢になる親が老人ホームなどの高齢者住宅や子供宅などに転居して自宅が空き家になった場合、自宅を利活用するにはいくつもの壁があります。 片づけを始めても昔のことを思い出してなかなか整理が進まなかったり、最期は家に戻りたいと思っていたり、認知症を患い利活用の判断ができなくなってしまっていたりといったものです。 たとえ、子供たちから管理が大変だという理由などから売却を勧めても、同意してくれる親は多くありません。 このようなことから高齢者の自宅は長い間、空き家状態になってしまっているのです。
子供が実家を相続している場合
実家の利活用に躊躇するのは親だけではありません。 子供たちが相続した後も実家の利活用は簡単ではないのです。 子供たちは実家から離れた場所に住んでいることが多く、利活用についてどこに相談すれば良いのか分からないのです。 また、利活用について兄弟間で争いになってしまうケースも多々あります。 兄弟の一人が売却することを主張し、別の兄弟が売却に強く反対するといった具合です。 両方とも親の気持ちを代弁しますが、どちらの主張が正しいとも言えず、妥協することも難しいのが現状です。
対策
空き家である間は適正管理が必要
こののように、自宅や実家が空き家になってしまう理由は十人十色。 さらに、利活用ができるようになるまで数年、長いと10年以上かかることもあります。 その間、誰も利用していない住宅は一気に傷んでしまいます。 老朽化が進むと屋根や外壁などの建材が剥がれ落ちたり、建物が傾いて倒壊する危険性が高まったりとさまざまな問題を引き起こしてしまいます。また、庭の管理が不十分な場合、生い茂った庭木や雑草が景観を乱すだけでなく、蚊やスズメバチや害獣(ネズミやハクビシン等)を発生させてしまうこともあります。 そうならないためにも、所有者は所有する空き家を適正に管理する必要があります(所有者が管理できない場合はその配偶者や子供が代理で適正管理を行う必要があります)。空き家の管理が行き届いておらず、周辺環境に悪影響を及ぼしてしまっている場合、平成27年5月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、行政からの指導や処分が行われるようになりました。 自身での管理が難しい場合は代行業者に依頼しましょう。
このように、空き家問題に取り組む行政が増えてきている中、空き家の所有者さまからの不安のお電話を頂きますが、適切に管理をされている空き家に関しては心配の必要はありません。 当事務所は、空き家問題にも取り組んでいます。 空き家の管理、活用、相続問題までお気軽にご相談ください。

空き地

空き地問題
ご自分が所有している空き家や空き地があると、ただ固定資産税が発生するだけになります。 つまり、資産価値はありますが、黙って持っているだけだと現金だけが目減りしていくことになります。さらに、空き家になるともう1つ大きな問題を抱えることになります。 それは、平成27年5月から全面施行されている「空き家対策特別措置法」により、固定資産税が最大で6倍になることです。 空き家は地域にもよりますが、防犯・防災・衛生・景観の面を基準に、立ち入り調査をして不適切だと判断されると、それらに対する措置について、助言・勧告・命令がだされます。要するに、改善しなさいということを言い渡されます。さらに、「特定空き家等」とみなされた場合には、固定資産税は最大で6倍になってしまいます。 つまり、助言・勧告・命令を受け入れるにしろ、固定資産税が膨れ上がるにしろ、お金がかかることになります。
相続、譲渡された家や土地
親の財産である土地・建物を相続すると、必然的に相続税と固定資産税を支払う義務が生じます。 また、理由は別にして、土地・建物を譲渡された場合でも、同じように税金の支払い義務が生じます。 確かに土地・建物は資産価値としての評価はありますが、そのまま放置しておくと多大な税負担額がのしかかってきます。 つまり、不動産という資産は持っているがお金がない、というおかしな状態になりかねません。 このような場合、どうしても税金対策として、土地の有効活用を考えないとなりません。 それが嫌だからといって売却したとしても、分離課税制度により国税と地方税が課税されます。 小さい金額ではありませんから、せっかく売却できても、かなり減額されたような形になります。
税対策で土地活用したい
土地・建物には固定資産税と都市計画税が課税されています。 固定資産税は、市区町村が決めた土地と建物の固定資産税評価額と、その利用状況に応じた課税標準額によって納税額が決められています。 固定資産税の納税額は、課税標準額の1.4%で、都市計画税は0.3%になっています。 例えば固定資産税評価額が1億円だと仮定すると、毎年170万円の課税額になります。月額にすると、およそ147,000円という高額です。 しかし、この土地に賃貸物件を立ててしまえば、固定資産税納税の減額は最大で1/6になります。 固定資産税評価額が1億円だと仮定すると、納税額は年額で約283,300円、月額にすると約24,500円に減じます。 大規模なビルやマンションを建てた場合には、固定資産税は1/3になりますから、納税額は年額で約567,000円に、月額に直すと約47,000円になります。
農地、山林
農地や山林の固定資産税評価額は、一般の住宅地に比べるとかなり低額ですが、市街地に近いところ(市街化区域)だと割高になります。 この場合、遊休地になっているとどちらも税負担と維持費がかかります。 やはり有効活用をしないと、税負担だけが発生してしまいますから、やがて持っていること自体が辛くなります。 農地だったら、そのまま田畑としてJAなどを通じて小作をする人や、趣味で農業をやりたい人に貸す(農業委員会に届け出や許可が必要)こともできますが、山林の活用は難しいです。 売却をするにしても、農地の場合は勝手に売ることはできません。 山林のばあいは、驚くほど評価額が低い場合もあるので、売ることをためらってしまいがちです。 この場合、農地、山林ともに何らかの形で有効活用を考える必要があります。 例えば、太陽光発電のソーラーパネルを設置するために貸すなどの方法だったら、農地、山林のどちらにも応用可能です。

3. 遺言

遺言とは?
ご自身が亡くなられた後の残された家屋や遺産の分配、個人事業や農業の承継等について御心配はありませんか? このようなことで、お悩みが増え、遺言書を作られるご依頼が増えています。 特に、子供のいない夫婦で、夫が妻に全ての財産を相続させたい場合や、内縁の妻や長男の妻、献身的な世話をしてくれた人等に財産を残してあげたい場合などには、遺言がなければ、自身の思いを相続に反映させることができません。

遺言書を残すのが有効なケース

遺言書を書く理由はさまざまかと思いますが、遺言書を書くなら法的きちんと効力を発揮するものを書くべきですし、子供や孫たちが相続トラブルとならないために財産をきちんと分けられる内容で用意することがおすすめです。 ただ、どんな人でも遺言書が必要ということではありませんので、「本当に遺言書を残すべきか?」はよく考えて残すようにしましょう。
  1. 夫婦の間に子供がいない場合
  2. 相続人が一人もいない場合
  3. 家業を継がせたい人がいる場合
  4. 相続財産に不動産が含まれている場合
  5. 内縁関係にある・認知していない隠し子がいる方
  6. できれば財産を渡したくない人がいる場合
遺言書を残す際にもっとも簡単な方法は『自筆証書遺言』という方法で、自分ひとりで書き残すことができますが、開封時に裁判所の検認が必要であったり、法的なことを知らないと『遺留分を侵害していたり』、かえって「争族」となるケースもあります。 また、偽造・変造をされる可能性もゼロではありませんので、この記事では『遺言書の正しい書き方』やどういった内容で書き残しておけばトラブルを回避できるのかを解説しますので、法的に効力のある遺言を書くための手助けになれば幸いです。

遺言書の種類

※改定作業中につき、しばらくお待ちください。

遺言書の作成の仕方

※改定作業中につき、しばらくお待ちください。

民事信託

民事信託とは?
資産の所有者(これを「委託者」といいます。)が、認知症などの意思表示ができなくなる万が一のために備え、資産を託される方(これを「受託者」といいます。)に資産の所有権を移転し、受託者が、託された資産から利益を受ける方(これを「受益者」といいます。)のために、資産を管理・処分することです。民事信託での登場人物は、この「委託者」「受託者」「受益者」の3人になります。 このように、委託者から受託者に資産の所有権を移転するということが、民事信託の最大の特徴といえます。 受託者は、委託者から財産の委託を受けた目的に従って、受益者のために資産を管理・承継しなければなりません。 この目的を「信託の目的」といいます。 したがって、受託者は、資産の所有者になりますが、「信託の目的」という厳格な縛りの中で資産を所有するということになります。 したがって、必ずしも自由に資産を利用できるわけではありません。 受託者は、信頼できる方であれば、必ずしも家族でなくても構いません。 もっとも、多くは家族内のある方(例えば父親)が、家族内の他の方(例えば息子)に財産を託するものです。 そこから「家族内の信託」として「家族信託」とも呼ばれるようになりました。 このように、民事信託は、通常、受託者を家族とするケースが多いので、この記事でも家族を受託者とするケースを念頭に下記で説明します。 なお、成年後見や任意後見が、法律上で規定された名称であるのに対し、「民事信託」「家族信託」は、法律上の名称ではありません。
民事信託の仕組み
民事信託には3人の登場人物が出てきて、財産を持っている受遺者(被相続人)、財産を管理する受託者(相続人など)、利益を得る受益者(他の相続人など)の3人から成り立ちます。 ・委託者:財産を持っている人 ・受託者:財産を管理する人 ・受益者:利益を享受する人 ※信託監督人:受託者を監督する人
まず、委託者が個人の目的のために受託者に財産を預け、最初は受益者が利益を受け取ります。 この時、委託者、受託者、受益者の3者の他に、信託を管理監督する信託監督人を設置することもできます。 要は受託者がちゃんと仕事をしているか監督する人ですね。

民事信託は受益者のための制度でもありますが、受益者がちゃんとした意思表示をできないケースもありますし、一度受託者になった方の権限が強いということもあり、受託者を監督する人も必要になるケースもあります。

一般的な信託との違い

一般的に言う「信託」とは、信託銀行等が行う「遺言書の作成 + 遺言書の保管 + 遺言執行」がセットになった「遺言信託」のこと、あるいは「投資信託」を思い浮かべる方が多いと思います。 これが一般的な信託で、「銀行が関与するもの(商事信託・営業信託のこと)」と覚えておいて問題ないと思います。 一方「民事信託」は、「受託者が信託報酬を得るために行うもの」という基本的な仕組みは同じですが、商事信託とは反対に、受託者が信託報酬を得ない信託(=非営利信託)であり、受託者は個人でも法人でも誰でもなることが可能です。 財産の管理を「信じられる人に託す相手を自分の家族・親族にする」ことが多いので、家族や親族を受託者として財産管理を任せる仕組みを「家族信託」と呼んでいたりもします。

よくある質問

Q.相続放棄の取り消しできますか?
A.相続放棄の申述が本人の意思である場合、原則はできません。 ただ、詐欺(だまされた)や強迫(おどされた)場合は、詐欺や強迫があったことを知った日から6ヶ月以内に「相続放棄の取り消しの申述」を行えば取り消しができます。 ただし、相続放棄を行った日から10年以内という期限があります。
Q.遺言書が見つかりましたが、遺産分割協議をすることは可能?
A.遺言書が存在している場合でも、相続人全員で遺言書の内容とは異なる内容の遺産分割協議をすれば、遺産分割協議の方が優先されます。 ただし、遺言書の中で、遺言執行者が指定され、遺言執行者が就職している場合には、注意が必要です。 遺言執行者の業務は、遺言の内容を執行することなので、相続人間で、遺言の内容と異なる内容で遺産分割協議をし、それを実現することは、「相続財産の処分その他遺言の執行を妨げることはできない」という民法1013条の規定に反するようにも、考えられます。しかし、遺言執行者の同意を得ることで、相続人間で行った処分行為は有効とする判例がありますので、遺産分割協議の際に、遺言執行者に立ち会ってもらい、同意を得ておくことで、遺産分割協議を有効にすることができるものと考えられます。
Q.相続人の一人が行方不明の場合、遺産分割協議はどのように行えばよいのか。
A.遺産分割協議には、相続権のある者全員が参加する必要があり、特定の相続人を除外して行った遺産分割協議は無効になります。 そこで、生死不明状態が7年を超えていれば、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます。失踪宣告が通知されると、不在者はそのときから死亡したものとみなされますので、不在者の相続人を当事者として遺産分割協議をすればよくなります。生死不明の状態が7年を経過していないときは、家庭裁判所に不在者の財産管理人を選任してもらって、財産管理人を当事者として遺産分割協議をすればよいでしょう。そのうえで、不在者の相続人は、7年の経過を待って失踪宣告の申立てをして、財産管理人から相続財産を引き継ぐことになります。
Q.遺産分割協議に相続人でない者が参加して行われた場合は有効なのか。
A.遺産分割協議に相続人でない者が加わって行われた場合、遺産分割協議のすべてが無効となります。 この場合、相続人でない者を除外した全相続人で、遺産分割協議をやり直す必要があります。また、相続人である者を除外して行われた遺産分割協議も無効となりますので、再度相続人全員で協議をする必要があります。
Q.土地を購入しましたが、登記をする前に売主が亡くなってしまいました。登記はどうすればいいのでしょうか?
A.亡くなった売主の相続人全員を登記義務者として、所有権移転登記をします。 注意しなければならないことは、相続人全員が登記義務者となるため、相続人全員分の書類が必要となることです。
Q.空き家の所有者が認知症ですが、身内で処分することはできますか。
A.身内であっても、所有者以外の方が所有者に代わって、無断で財産の処分をすることは原則としてできません。 認知症で判断能力が不十分な方が、ご自身では処分できないという場合、後見等の申立てをしたうえで、後見人等に選任された方が処分するという手続きをとる必要があります。 もっとも、後見人等が所有者の不動産を処分する場合は、原則として家庭裁判所の許可が必要となるでしょう。そのようなことになる前に、ご子息などに民事信託や贈与をするなどの対策を考えておいたほうがよろしいかもしれません。
Q.相続を放棄したら空き家の管理義務はなくなりますか。
A.被相続人名義の空き家について、名義人である被相続人の相続について、家庭裁判所で相続放棄の手続きをされた場合、空き家について所有者といえなくなるため、原則として管理義務はなくなります。 ただし、空き家のカギを持っていて、時々管理の為立ち入る等の行為をされていた場合や空き家内にご自分の荷物を置かれている場合等には、空き家を占有している者としての責任が発生する場合もありますので、注意が必要です。